大阪・北加賀屋で行われたリノベーションプロジェクト「APartMENT」に参加。元々鉄工所の社宅として建てられた建物の1室をリノベーションし、賃貸物件として扱われ、居住する部屋を作りあげた。このプロジェクトは人間の記憶と意識に関する実験的アプローチである。
この部屋のコンセプトは、「記憶の記録」。居住者が検知エリアに入ったことを深度カメラで判定し、自動的に音声録音と動画撮影をスタート。検知エリアから出ると自動的に記録が終了する。記録データは外部ストレージ内に保存し、居住者のみが見返すことができる。検知エリアは居住エリア内の一角とする。契約期間の2年間にわたって記録し続け、蓄積されたデータは転出時に持ち出し、自分だけの記録にすることが可能となる。
人間はSNSやウェアラブルデバイスなどにより、ライフログや身体データを意識的にあるいは無意識に記録に残すことで、生活を見返し、より良いものへと変えていこうとしている。社会はあらゆるものをデータ化し「見える化」する事で成長を続けている。近い将来、無意識の内に人生の全てをデータとして残していく社会が待っているのかもしれない。
一方で個人情報・プライバシー権の保護や忘れられる権利の問題など、データ化する社会との向き合い方が問われだしている。技術の進歩が生む社会の変容に果たして人間の意識は追いついているのだろうか。
居住空間という私的空間の中でその生活を映像で記録し続ける事によって、人間の意識にどのような変化が生まれるか。真に主体的に「住む」ということはどういうことなのか。このプロジェクトがこれからの居住と社会の在り方に目を向けるきっかけになればと考えている。
この部屋のコンセプトは、「記憶の記録」。居住者が検知エリアに入ったことを深度カメラで判定し、自動的に音声録音と動画撮影をスタート。検知エリアから出ると自動的に記録が終了する。記録データは外部ストレージ内に保存し、居住者のみが見返すことができる。検知エリアは居住エリア内の一角とする。契約期間の2年間にわたって記録し続け、蓄積されたデータは転出時に持ち出し、自分だけの記録にすることが可能となる。
人間はSNSやウェアラブルデバイスなどにより、ライフログや身体データを意識的にあるいは無意識に記録に残すことで、生活を見返し、より良いものへと変えていこうとしている。社会はあらゆるものをデータ化し「見える化」する事で成長を続けている。近い将来、無意識の内に人生の全てをデータとして残していく社会が待っているのかもしれない。
一方で個人情報・プライバシー権の保護や忘れられる権利の問題など、データ化する社会との向き合い方が問われだしている。技術の進歩が生む社会の変容に果たして人間の意識は追いついているのだろうか。
居住空間という私的空間の中でその生活を映像で記録し続ける事によって、人間の意識にどのような変化が生まれるか。真に主体的に「住む」ということはどういうことなのか。このプロジェクトがこれからの居住と社会の在り方に目を向けるきっかけになればと考えている。
Credit
Produce & planning:有國恵介
Concept & tecnical direction & development:田中陽
Space design :細野隆仁
※ Rhizomatiksのクレジットのみ記載しています
Concept & tecnical direction & development:田中陽
Space design :細野隆仁
※ Rhizomatiksのクレジットのみ記載しています