北海道・札幌市で「札幌国際芸術祭2024（SIAF2024）」が、2024年1月20日（土）から2月25日（日）に開催されました。坂本龍一を最初のゲストディレクターに迎えて2014年にはじまった同芸術祭は、コロナ禍を経て6年半ぶりの開催となり、初めての冬開催となりました。会場の一つである札幌文化芸術交流センター（SCARTS） は、雪の都市のアートをめぐる旅の出発地点「ビジターセンター」というコンセプトとして展開されました。
SCARTS2階にあるモールCは「都市と自然をめぐるラボラトリー」と題した、パノラマティクスとSIAFラボとのコラボレーションによる、「研究室」となり、”都市と自然をめぐるラボラトリー”として、雪国の都市と自然に関する＜研究＞を紹介する展示を行いました。
パノラマティクスは札幌や雪に関するリサーチから”OFF-GRID CITY”と”テクノダイバーシティ”というふたつのキーワードを導き出しました。それを元に雪まつり2丁目会場の『とある未来の雪のまち』を設計し、これらの過去から未来までを垂直面で表しました。
SIAFラボは札幌の冬や雪のある側面を切り取ってきたフィールドワークやR&Dの作品を水平面として展開し、それぞれの連携を試みました。
パノラマティクスは都市から見た地域という視点、SIAFラボは地域から見た都市、という視点で作品制作は進みましたが、都市について考察する視点の違いを、”テクノダイバーシティ”というキーワードで、その違いを多様性として受け入れるアプローチでプロジェクトは進みました。視点の異なるふたつの立場から、都市と自然がどのように交わり、相互に理解し合い、新たな関係を構築していくかを考えることができる、都市と自然をめぐる思考の旅へと誘う展示となりました。
開催概要
会場：札幌文化芸術交流センター SCARTS（札幌市中央区北1条西1丁目6）
会期：2024年1月20日（土）～2月25日（日）
休館日 1月24日（水）、25日（木）、2月14日（水）
開場時間：10:00〜19:00（入場は閉場の30分前まで）
入場無料
SIAFラボ：
SIAFから派生した実験的プラットフォーム。「都市と自然」に焦点を当て、札幌独自の文化芸術の醸成・発信を目指している。https://siaflab.jp/
SIAFラボ展示作品
「吹雪とレーザーによる風の可視化（LT Ver.）」
「雪堆積場タイムラプス（2020-2023）」
「除雪車の GPS 測位データと地形データでみる大雪のまち」
「除雪彫刻」
「札幌市 雪対策室インタビュー」
SIAF2024ビジターセンター@SCARTS
撮影：古瀬桂（GAZE fotographica）